【木曜】日経平均930円安なのにTOPIXは小幅高。指数が逆に動いた一日と、今日からの日銀会合をやさしく整理
おはようございます。昨日7月29日(水)の東京市場は、日経平均が61,434.19円(-930.73円・約1.49%安)と続落した一方、TOPIXは3,974.03ポイント(+10.44ポイント・約0.26%高)と小幅に上昇しました。2つの指数が逆方向に動く珍しい一日です。値上がり1,044銘柄に対し値下がりは491銘柄。「指数が下がった=全部下がった」ではないことがはっきり表れた場面を、初心者の方といっしょに読み解きます。今日7月30日からは日銀の金融政策決定会合が始まります。
【木曜】日経平均930円安なのにTOPIXは小幅高。指数が逆に動いた一日と、今日からの日銀会合をやさしく整理
おはようございます。木曜日の朝です。
はじめに、7月28日(火)夕方に発生した令和8年熊本地震で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。本記事では市場への影響にも触れますが、なにより人命と生活の回復が最優先であることを申し添えます。
さて昨日の東京市場は、初心者の方にぜひ知っておいてほしい形が現れた一日でした。ニュースの見出しだけを見ると「また下げた」と映るのですが、中身は少しちがいます。順番に確かめていきましょう。
まずは昨日7月29日(水)の終値をおさらい
| 項目 | 7月29日(水)終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 61,434.19円 | -930.73円(約-1.49%) |
| TOPIX | 3,974.03ポイント | +10.44ポイント(約+0.26%) |
| ドル円(参考) | 163円台 | 東京時間は163.28〜163.88円で推移 |
お気づきでしょうか。日経平均は下がっているのに、TOPIXは上がっています。
前日7月28日(火)は、日経平均が約3.95%安、TOPIXが約2.52%安と、どちらも大きく下げました。昨日はそこから日経平均だけが続落し、TOPIXはわずかながら反発したという形です。
売買の様子も見ておきましょう。東証プライム市場の売買代金は13兆1,999億円、売買高は36億844万株でした。そして注目したいのが銘柄数です。値上がりが1,044銘柄、値下がりが491銘柄。値上がりした銘柄のほうが2倍以上多かったのです。
なぜ「日経平均だけ」下がったのか
ここが今日いちばんのポイントです。答えは、2つの指数の作り方がちがうことにあります。
| 日経平均株価 | TOPIX | |
|---|---|---|
| 対象 | 東証プライムの代表的な225銘柄 | 東証の幅広い銘柄 |
| 計算のしかた | 株価そのものを平均する方式 | 会社の規模(時価総額)に応じて加重する方式 |
| 影響が大きいのは | 株価の高い銘柄 | 規模の大きい会社 |
日経平均は「株価の高い銘柄」の値動きに強く引っぱられます。株価が3万円の銘柄が10%下げるのと、株価が1,000円の銘柄が10%下げるのとでは、日経平均に与える影響がまったくちがう、ということです。
昨日は、株価水準の高い半導体関連の一部が大きく下げました。この分野は日経平均への影響が大きいため、指数はマイナスに沈みます。いっぽうで市場全体を見れば、値上がりした銘柄のほうが多かった。だからTOPIXはプラスで終えられた——これが「逆に動いた」正体です。
初心者の方に持ち帰っていただきたいのは、次の一行です。
「日経平均が下がった」は、「市場のすべてが下がった」という意味ではない。
昨日はまさにその教科書のような日でした。見出しの数字にどきりとしたときは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を見てみてください。市場の空気がぐっとつかみやすくなります。
昨日の下げの背景にあったこと
日経平均を押し下げた材料は、いくつか重なっていました。
- 米国の半導体関連指数が下落を続けた:「フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)」という、半導体関連企業をまとめた米国の指数が4日続けて下げました。その流れが東京市場にも及びました。
- 韓国市場が再び下げた:前日に続き、韓国の株価指数が下落。近い地域の市場が荒れると、同じ分野の銘柄が連想で売られやすくなります。
- 熊本地震による供給網への懸念:熊本県には半導体や電子部品の工場が集まっており、稼働停止や設備点検が伝えられました。「ものが予定どおり作れなくなるかもしれない」という心配が、関連する分野の重荷になりました。
熊本地震について、今わかっていること
令和8年熊本地震は、7月28日(火)16時27分ごろに発生しました。気象庁によるとマグニチュードは7.1、震源の深さは16km、熊本県宇城市と八代郡氷川町で最大震度7を観測しています。国内で震度7が観測されたのは、2024年1月の能登半島地震以来のことです。
人的被害については、7月29日夕方時点で熊本県が死者12人、心肺停止6人、負傷者64人、安否不明者が少なくとも4人と発表しています。これらはいずれも速報値であり、今後変わる可能性があります。 最新の情報は自治体や気象庁の発表をご確認ください。気象庁は、同程度の地震に1週間ほど注意するよう呼びかけています。
経済面では、熊本県内に生産拠点を置く半導体・電子部品・素材メーカーの一部で稼働停止や点検が伝えられ、自動車の生産にも影響が出ています。港湾設備の被害も報告されました。
IRDBは、災害を「投資の機会」として扱いません。 ここでお伝えしたいのは、次のことだけです。会社の業績は、決算書の数字だけでなく、工場がある場所や、部品を届けてくれる取引先といった「現実の事情」にも左右されます。ふだん決算を読むときに「この会社はどこで、誰と作っているのか」まで意識しておくと、こうした出来事が起きたときに慌てずに受け止められます。
今日7月30日の注目点:日銀の会合が始まります
今日からの日程で、日本銀行の金融政策決定会合が開かれます。7月30日(木)・31日(金)の2日間です。
ここでも時間差が大切になります。
| いつ | 何が起きるか |
|---|---|
| 今日 7月30日(木) | 会合初日。結果は出ません |
| 明日 7月31日(金) | 会合2日目。結果公表、経済・物価情勢の展望(展望レポート)の公表、15時30分から総裁記者会見 |
つまり今日は「始まった」だけの日です。今日の値動きを「日銀の判断への反応」と受け取らないようにしましょう。
日本銀行が決めるのは、ひとことで言えば世の中のお金の借りやすさです。これは為替(ドル円)にも、企業が支払う利息にも影響します。初心者の方は、結果を当てにいくのではなく、明日の発表を株価とドル円の両方で受け止めるという構えでいれば十分です。
なお、米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果は、本日未明に公表されています。内容と市場の反応については、各社の報道で最新の情報をご確認ください。
もうひとつの柱:4〜6月期決算がピークへ
国内企業の2026年4〜6月期(第1四半期)決算は、今週から来週にかけて発表がピークを迎えます。
指数が荒れているときこそ、その会社が実際にどれだけ稼いだかという中身が意識されやすくなります。初心者の方は、次の3点を落ち着いて見ていきましょう。
| 見るところ | 何がわかるか |
|---|---|
| 売上高 | 商売の規模が伸びているか・縮んでいるか |
| 営業利益 | 本業でどれだけ稼げたか |
| 通期見通し | 会社自身が今年をどう見ているか(据え置き/上方・下方修正) |
売上が伸びていても、コストがそれ以上に増えれば利益は減ります。売上と利益は必ず並べて見るのが基本です。売上の伸びの読み方は、本日公開の増収率(売上高成長率)とは?でくわしく解説しています。
今朝、やっておきたい3つのこと
- 指数の「差」を見る習慣をつける:日経平均は約1.49%安、TOPIXは約0.26%高。この差は「何が売られ、何が買われたか」を教えてくれます。片方の指数だけを見て市場全体を判断しないようにしましょう。
- 今日と明日を分けて考える:日銀の結果が出るのは明日7月31日です。今日は初日で、結果は出ません。
- 決算は数字を並べて読む:発表が集中する時期です。売上高・営業利益・通期見通しの3点セットで確認すると、1つの数字に振り回されにくくなります。
決算シーズンの予習には、IRDBの用語解説もどうぞ。金融庁EDINETから取得した各社の財務データとあわせてご覧いただけます。
- 増収率(売上高成長率)とは? — 商売の規模がどれだけ伸びたか
- 営業利益率とは? — 本業でどれだけ儲けているか
- 自己資本比率とは? — 会社の財務の安全性をはかる指標
ワテのひと言(大阪弁で総括)
さて、ここからは船場の番頭がひと言。まずは熊本の地震で難儀されとる皆さんに、心よりお見舞い申し上げます。商いの話はそのあとでおます。
昨日の相場でおますが、番頭は思わず帳面を二度見しましたわ。日経平均は930円安、そのすぐ横でTOPIXは10ポイント高。指数が仲たがいしとるみたいでっしゃろ。
こういうときは中身を数えるに限ります。数えてみたら、値上がりが1,044銘柄、値下がりが491銘柄。上がっとる店のほうが倍以上あったんでおます。日経平均は値の張る銘柄の声がよう通る指数やさかい、半導体まわりの大店が沈むと、指数だけが暗い顔になる。せやけど市場という商店街全体を歩いてみたら、暖簾を上げとる店のほうが多かった——そういう一日でしたんや。
「日経が下がった」の一言で全部を決めつけたら、見落としが出ます。見出しは看板、値上がり値下がりの数は帳面。番頭は迷うたら、いつでも帳面のほうを信じますねん。
ほんで今日からは日銀の会合が始まります。ただし結果が出るんは明日でっせ。今日の値動きを「もう答えが出た反応や」と早合点したらあきまへん。決算のほうも山場ですわ。売上と儲けは必ず並べて見る。売上が伸びとっても儲けが痩せとったら、手放しでは喜べまへんさかいな。
数字は嘘つきまへん。ほな、今日もよろしゅうおたのもうします。
口座開設はこちらから
投資を始めるには証券口座が必要です。初心者におすすめのネット証券3社をご紹介。
※ 本ページにはアフィリエイトリンクが含まれます。リンクから口座開設・取引が行われた場合、運営者が紹介手数料を受け取る場合があります。